「接種者全員の調査を」 子宮頸がんワクチンで被害者団体が要求書
子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に全身の痛みなどの訴えが相次ぎ、接種勧奨が中止されている問題で、全国被害者連絡会は31日、厚生労働省とワクチンを製造販売するMSD、グラクソ・スミスクラインを訪れ、自覚症状のない人を含めた接種者全員の追跡調査や、賠償などを求める要求書を提出した。
厚労省にはこのほか、接種しなかった少女らとの比較調査や医療体制の整備、原因究明のための第三者機関の設置などを要求。製薬会社にも調査への全面協力や医療費支援などを求めた。
薬害対策弁護士連絡会も同日、国と製薬会社には被害者に対する法的責任があるとの意見書を公表した。
子宮頸がんワクチンは2013年4月、公費による定期接種の対象となったが、全身の痛みやけいれんを訴える声が相次ぎ、厚労省は同年6月以降、勧奨を一時中止。副作用報告の対象症状を広げて追跡調査を行っており、近く専門部会で対応を協議する方針。
被害者連絡会の松藤美香代表は記者会見し、「発症者が出始めて3年以上がたった。多くの少女が学校に通えず、家で痛みと格闘している。とにかく早く解決してほしい」と訴えた。
(時事)