重い副反応は1112人、子宮頸がんワクチン接種


民間研究チーム

 子宮頸がんワクチンの接種後に体の異変などの訴えが相次いでいるため、接種勧奨が中止されている問題で、難病治療研究振興財団(理事長・坂口力元厚生労働相)の研究チームは13日、重い症状が見られる副反応患者は3月末までに1112人に上ったとの集計結果を発表した。研究チーム代表の西岡久寿樹東京医大医学総合研究所所長が長野市内で記者会見した。

 研究チームは、医師や製薬企業が厚生労働省に報告した患者約2500人の情報を分析し直し、1112人に重い症状が見られると判断した。高次脳機能障害やけいれん、意識低下などの中枢神経症状が最も多かった。ワクチンとの因果関係は不明としつつも「脳内で異変が起きている可能性」を指摘した。

 一方で、接種勧奨の再開を議論している厚労省専門部会は広範な痛みか運動障害がある176人を主な検証対象としており、ほかの症状を十分に議論していないという。

 西岡所長は「厚労省は実態を調査し、原因を究明する必要がある」と述べた。