線維筋痛症との関係調査へ、子宮頸がんワクチン接種で学会
日本線維筋痛症学会は28日、子宮頸(けい)がんや成人用肺炎球菌ワクチンの接種後に線維筋痛症を発症している患者がいるとして、来年度に因果関係を調査することを明らかにした。国に補助金を申請しているが、認められなかった場合でも学会単独で調査する方針。
線維筋痛症の原因は不明だが、脳内の炎症で、疲労感やうつ、体の痛みが起こるとされる。国内の患者数は推定約200万人。
学会理事長を務める東京医科大学医学総合研究所の西岡久寿樹所長によると、「線維筋痛症で診療した患者の中に、子宮頸がんワクチンなどを成人になってから接種した人が多数いる」と、医師からの意見が相次ぎ、研究の必要性が指摘されたという。
線維筋痛症や類似する症状の患者のうち、成人になってからワクチン接種歴がある数百人を対象に、発症や症状の悪化があったかなどを調べる。
子宮頸がんワクチンは接種後の体の痛みの訴えが相次ぎ、厚生労働省が一時、推奨を中止している。副作用を検討する部会は「心身の反応」が原因と結論付けたが、西岡所長は「ワクチンに含まれるアジュバント(免疫補助剤)が影響している可能性もある」と話している。
(時事)