横浜市で開かれていた第7回アフリカ開発会議…


 横浜市で開かれていた第7回アフリカ開発会議(TICAD)は「自由で開かれたインド太平洋」構想に好意的に留意することなどを盛り込んだ「横浜宣言」を採択して閉幕した。一連の報道に接して、ロンドン赴任中に自宅に招いたアフリカからの留学生家族との会話を思い出した。

 話は、まず食べ物のことになった。彼等は日本人が魚をよく食べることを知っていたが、意外だったのは彼等も魚をよく食べるということだった。また家人が食事を準備する間、「日本には、男子厨房に入らずという諺がある」と紹介すると「私の国でもそういう諺がある」と言う。

 日本とのさまざまな共通点があることを知って、自分のアフリカへの無知を自覚させられた次第だ。

 留学生は2人とも結婚していて、どちらの奥さんも美人だった。そのためだけではないが、彼等と過ごしたひとときは楽しい思い出となっている。

 なぜ楽しかったのか改めて考えてみると、一つには日本とアフリカとは過去に戦争をしたり植民地支配をしたりという歴史的な負の遺産がないことがあると思う。英国内では同じ有色人種ということもあったかもしれない。

 ただ、それらは消極的理由にすぎない。素朴で飾らない彼等と話しながら、不思議な懐かしさを感じた。昔、自分が田舎で接した人々を思い出させるものがあった。アフリカを支援し、交流を深める中で、日本も有形無形の貴重なものを得ることができるだろう。