読みたい本があったので図書館へ行った。…


 読みたい本があったので図書館へ行った。書棚に見つからないので図書館員に聞くと、貸し出し中とのこと。しかも「8人待ち」だ。8人待ちとは何日ぐらいだろうと思って聞くと「見当もつかない」との回答。

 貸し出し期間は2週間なので、単純計算で「8人×2週間(14日)=112日」となる。4カ月後だ。ただ、借りた人が全て2週間かけて読むとは限らない。

 3日で「つまらない」と思う場合もありそうだ(なかなかしんどい本なのだ)。半面、2週間では読み切れない人もいるだろう。返却期限についてルールはあるが、ペナルティーはないようだ。

 4カ月といっても、路上で待つわけではないから身体的苦痛はない。が、長期間待つ選択肢はないので、9人目の待ち人になるのはやめて、都心の大型書店で購入した。3000円程度の本は必ずしも安くはない。

 「読みたい」という意志が持続するのは、どの程度の時間か。4カ月も興味が続くだろうかという気もする。8人待ちの7人目ぐらいの人は、その本を待っていたことを覚えているだろうか?とも考える。

 今回の体験で思ったことが一つ。「本を手にするのに一円たりとも金を払いたくない」という強い意志の持ち主が、この世の中にはそこそこいるということだ。「書店であれ、書店での注文であれ、ネットであれ、今時、買おうと思えばすぐ手に入るのに、なぜ図書館でなければいけないのだろう?」との思いは残る。