トヨタ自動車とパナソニックが住宅事業を…


 トヨタ自動車とパナソニックが住宅事業を統合し新会社を発足させると発表した。「住宅着工の減少が見込まれ、次の局面を考えないと未来はない」(パナソニック幹部)と。統合、新会社設立の背景には世相の大きな変化がある。

 今世紀半ばには、日本の人口は3割、労働人口は4割減少すると予測され、わが国は衰退の様相を呈する。人口に占める高齢者の割合は45%、50歳以上は70%になる。一方、若者の間では「住宅という不動産を所有しても維持管理が大変でいらない」と考える人たちが増えているという。

 人々の住宅への関心も変化して「住宅を取得することが人生の目的、成功の証しなどという社会意識は薄れてきている」と指摘する専門家が多い。固定資産税の負担が煩わしいと思う人たちも少なくないはず。

 一方、高齢化や介護問題、単身者の増加などで、明らかに家族形態が変わってきている。こうした問題を受け、3世代住宅が増加してもいいはずだが、現時点では需要は大きく増えていないという。人口減少時代の逆風が、まずは住宅産業に顕著に表れている。

 今回のトヨタとパナソニックの新会社では、IoT(モノのインターネット)やネットに常時つながる「コネクテッドカー」といった最新技術を活用した新たな街づくり事業の展開を見据えている。

 街全体にステータスを持たせることで、各住宅に付加価値を付けるという手法。膨張を重ねた住宅産業の正念場だ。