この32日間は世界中が沸いたと言っても過言…


 この32日間は世界中が沸いたと言っても過言ではなかろう。サッカーW杯ロシア大会(モスクワなど)は15日の決勝で、クロアチアを4-2で下したフランスに栄冠が輝いた。フランスの強さとクロアチアの奮闘を称(たた)えたい。

 これで欧州勢のW杯制覇は、2006年のイタリアからスペイン、ドイツに続き4大会連続となる。次回大会(22年・中東カタール)では、ネイマールらの個人技が封じられ準々決勝で姿を消したブラジルなど、欧州と対峙(たいじ)するサッカー大陸・南米勢の巻き返しに期待したい。

 予選リーグを突破し16強入りした日本代表のたくましい戦いぶりも、改めて称えられていい。準々決勝進出を懸けた決勝トーナメント1回戦で、後半に2点先行しながらもベルギーの猛反撃の前に2-3の逆転負けに散った。

 ただ原口元気が放った美しい先制ゴール、乾貴士の鮮烈なミドルシュートは勝敗とは別に、日本代表の次の可能性を示す成長を印象付けたと言えよう。何より3位に上ったベルギーを一時、敗北の淵に追い込んだのだ。

 もう一つ、勝っても負けても試合後、日本人サポーターがスタンドのごみ拾いをする姿は今やW杯でよく知られる光景となった。加えて今回は、日本代表のロッカールーム(控え室)もきれいに清掃されていたことが世界に報じられ話題となった。

 「サッカーを文化にしたい」(日本サッカー協会・田嶋幸三会長)。それが少しずつ浸透し始めている。