新幹線「のぞみ」の台車の亀裂が見つかった…
新幹線「のぞみ」の台車の亀裂が見つかった問題で、JR西日本は、製造元の川崎重工業が製造過程で底面を削り、鋼材の厚さが基準より薄くなっていたと発表した。ほかにも100台で厚さが基準未満のものが確認され、交換を進めている。
走行中に異臭、異音に気付きながら、3時間近く走行。亀裂は底面に16㌢、両側面に約14㌢で破断寸前だった。破断していれば大惨事になっていた可能性もあり、運輸安全委員会は新幹線初の重大インシデントに認定した。
日本が誇り、海外への売り込みにも力を入れている新幹線。大事故になる前に発見できたのは不幸中の幸いというべきか。
それにしても日産自動車の無資格従業員による車の検査、神戸製鋼所のアルミ・銅製品などの性能データ改竄(かいざん)など、メード・イン・ジャパンの信用を傷つける不祥事が相次いでいる。ものづくりの土台が揺らいでいないか心配だ。
中央アジアのウズベキスタンで日本語を学ぶ学生と会った時、NHKが2000年から05年にかけて放映した「プロジェクトX」を視て痛く感動したという感想を聞いた。番組のテーマソング「地上の星」を歌っている中島みゆきさんのファンでもあった。
日本のものづくりの技術と伝統は、まだまだ強い力を持っている。世界の人たちには、日本は「ものづくりの星」のイメージが生きている。その信用が地に堕ちてしまわないように、立て直すべきことは立て直していかなければならない。