縫いぐるみというのは、手で持ったり抱いたり…
縫いぐるみというのは、手で持ったり抱いたりできるのがいいのだろう。そうするうちに情が移り、外出する時も連れて行きたくなる。
英スコットランドのグラスゴー空港が先月下旬から、旅の途中で子供たちとはぐれてしまった「テディベア」などの縫いぐるみを持ち主の元へ返すキャンペーンを行っている。「グラスゴー・ベアポートの忘れられたテディたち」と題し、ユーチューブに迷子のテディベアの動画を公開している。
英国人はクマの縫いぐるみテディベアが本当に好きである。ローワン・アトキンソンさん演じるミスター・ビーンも「テディ」を相棒にアパート暮らしをしている。旅行に行く時もトランクの中に入れて行く。
児童小説の名作、A・A・ミルンの『クマのプーさん』もテディベアである。プーさんのモデルとなったのは、ミルンの息子クリストファーの1歳の誕生日プレゼントにハロッズで買ったテディベアだという。日ごろの愛着の中から生まれたキャラクターだけに、作品が生きてくるのだろう。
ところで少し疑問なのは、迷子のテディベアの持ち主たちは、なくした時、空港に問い合わせしなかったのかということ。どうせ出てこない、新しいのを買えばいいと思ったのだとすれば、少し薄情な持ち主ということになる。
そんなことを考えると、このキャンペーンは持ち主以上に主人を失った縫いぐるみの気持ちに立っている。流石縫いぐるみ大国英国というべきか。