「川の色俄に変り秋日落つ」(小林耕生)…
「川の色俄に変り秋日落つ」(小林耕生)。目に染みるような青空を見ると、秋になったという実感が深まる。本を読むとすっきりとして心地よい。しかし長時間、活字を追っていると、目が疲れ集中力に欠けるようになる。そんな時には一息入れて熱いコーヒーを飲む。それだけで気分転換して再び本に集中できる。
コーヒーが本当にうまいと思うのはそんな時。コーヒーの好きな人はブラック派と砂糖やミルクを入れる派に分かれる。気流子の場合、その日の気分で変えているが、コーヒーにこだわりのある人はブラック派が多いようだ。
コーヒーはエチオピアが原産国と言われているが、アラビア人が広め、それをヨーロッパ人が受け入れて世界に行き渡った。
松岡正剛著『誰も知らない世界と日本のまちがい』(春秋社)によれば、コーヒーを当初好んだのは、イスラム教の神秘派だった「スーフィー」という僧侶の集団だった。コーヒーには覚醒作用があるため、修行を妨げる食欲の抑制や瞑想(めいそう)のために飲んだらしい。
当初は嗜好品(しこうひん)というよりも、宗教の修行生活に欠かせないものだった。お茶が禅宗の修行(座禅)などの眠気覚ましに用いられていたことに通じるものがある。
きょうは、全日本コーヒー協会によって昭和58(1983)年に定められた「コーヒーの日」。今年は、日本の将来を決める「選挙の秋」でもある。熱いコーヒーを飲みながら少し冷静になって候補者を選びたい。