2015年、米国のオバマ大統領から大統領自由勲章…


 2015年、米国のオバマ大統領から大統領自由勲章を授与された黒人女性がいた。米航空宇宙局(NASA)のラングレー研究所に勤め、1969年に月面に着陸したアポロ飛行の計算を手掛けた数学の天才、キャサリン・G・ジョンソンさん。

 受章当時97歳で、現在も健在。明日、公開される映画「ドリーム」は、キャサリンさんはじめ3人の黒人女性の活躍を描いている。キャサリンさんの役を演じたのは黒人女優のタラジ・P・ヘンソンさん。

 「大勢の女性たちが宇宙に人を送ることに関わったと知って驚いたわ。なぜかというと、宇宙開発競争に関する映像とかドキュメンタリーを見ても、黒人とか女性が関わった話は出てこないからよ」。

 彼女がオフィシャルインタビューで語った言葉だ。オバマ大統領の時代になり、歴史にインパクトを与えた黒人女性が評価されたと言える。映画は60年代、NASAの中で人種差別が撤廃される過程を描いている。

 「私は人種差別のことはよく知らなかったわ。私が育ったのは差別が撤廃された時代だったから。だから、調べなければならなかった」とヘンソンさん。

 キャサリンさん自身にも会って人柄を確かめた。慎ましく、自分自身を重視し過ぎない人。その功績が称(たた)えられると「そうじゃないわ、私だけではなかった。私たちは皆でこれに取り組んだの。チームだったわ」。ヘンソンさんの印象に強く残ったという言葉である。