朝日新聞が「慰安婦問題を考える」と題した…


 朝日新聞が「慰安婦問題を考える」と題した不定期連載を行っている。

 昨年11月30日付18面記事では「日韓の研究者の指摘」として「戦時中に朝鮮半島で慰安婦を数多く集めることを可能にしたのは、日本の植民地支配下で人を動員する仕組みがあったから」と切り出し、「植民地での女性の動員はどのように行われたのか」として、その手法を列挙している。

 このような記事を見るにつけ、2014年末の、いわゆる従軍慰安婦報道に関する吉田清治氏(故人)の捏造(ねつぞう)証言記事を取り消す謝罪会見の真意は何だったのかと思う。同紙の姑息(こそく)さを強く感じる。

 同年12月22日の会見では、第三者委員会報告書の内容を公表した中込秀樹同委員長が「強制連行に関する吉田証言を虚偽と判断し記事を取り消す以上、吉田証言が強制連行・強制性の議論に与えた影響の有無等について検証すべきであった」と指摘した。

 これを受け、渡辺雅隆朝日新聞社長は「報告書の内容を重く受け止める」と明言したではないか。気流子が「誤報の国際社会への影響は甚大だが、その反省がない」と追及すると「今後、多角的な報道を続けていく。それを見てほしい」と答えた。

 だが「慰安婦問題を考える」は、報告書の指摘を無視するかのごとく、以前の主張に先祖帰り。でたらめ報道にも触れていない。誤報の国際的影響に関する反省もなし。「報告書の内容を重視した多角的な報道」の公約はどこに行ったのか。