福岡市で女子予備校生(19)が殺害され、同じ…
福岡市で女子予備校生(19)が殺害され、同じ予備校に通う少年(19)が「女性を刺した」と出頭した。女性は大学入試を終えた直後の悲劇だった。
凶悪な殺人事件の犯人として20歳前後の逮捕者が最近、目立つ。2月以降をざっと見ても、初旬には兵庫県赤穂市で60代の夫婦が殺害され、同居の孫で養子の会社員少年(19)が逮捕された。「金欲しさ」だったという。
同中旬には、川崎市の介護付き有料老人ホームで2014年に入所者の男女3人が相次いで転落死した事件で、元施設職員の男(23)が逮捕された。ベランダから突き落としたとされる。
また兵庫県加古川市で昨年12月、アルバイトの女性(20)の遺体が見つかった事件で、知人の男(21)が逮捕され、「ハンマーで何度も殴った」と供述している。彼らの罪は厳しく問われなければならない。
他方、若者の犯行の背景に何があったのか、似たような事件の防止のために心の闇の解析が要る。人を亡きものにして事を済まそうとする短絡的な動機が共通している。
著書『一億総ガキ社会 「成熟拒否」という病』で、精神科医の片田珠美さんは「打たれ弱い子どもや若者たちがますます増加している」とし、「彼らの多くは、現実の自分を受け入れられないでいる。『こうありたい』という自己愛的なイメージ上の自分と、現実の自分との間のギャップが大きすぎる」と。暴発の原因を探るヒントになりそうだ。