「金曜深夜0時40分」などという言い方がある…


 「金曜深夜0時40分」などという言い方がある。これは土曜日の午前0時40分のことを指しているのだが、なぜか前日の金曜日であるかのように言われる。

 恐らく、本当は土曜日の未明だと承知していても、金曜日の深夜のような感覚があるためではないか。金曜日から土曜日へと日付が変わっていても、金曜日からの時間が連続しているとした方が実感しやすいのだろう。深夜起きている人々が多くなったことも背景にありそうだ。

 民放の朝4時ごろのニュースで「きょう午後3時ごろ……」と言うのを聞いてびっくりしたことがある。早朝4時の段階で「きょうの午後3時」はまだ来ていない。11時間も未来の話だ。

 実際は「きのうの午後3時」のことなのだが、なぜかそれを「きょう」と言ってしまう。日付の切り替えという公的・社会的な事実よりも、自分たちの私的・生活実感の方が優先される。

 24時間働いているテレビ業界の時間感覚ではその通りなのだろう。しかし、時間偽装であることに変わりはない。NHKにはどうやらその種の言い方はなさそうだが、民放では自明のこととして行われているようだ。

 あらゆる事件は「いつ」という日時が最も重要だ。時間の先後関係は、歴史認識においても欠かせない。だが、なぜかそのことが軽視されている。生活実感はそれとして、カレンダー通りの愚直な時間感覚がもっと重視されてよい。