今日、小学生でも通学風景はさまざまだ。…
今日、小学生でも通学風景はさまざまだ。電車の中で大人のサラリーマンにもまれ、制服を身に着けた児童がきりっと立っているのを見かけ、大変だなぁと思うことがよくある。
ただ、これも考えようで、保護者然とした大人が大勢いるため、まさかの折は力になろう。一方、電車で揺られることもないが、人っ子一人通らないような場所が通学路になっている場合、親御さんとしては不安である。
今月14日から行方不明になっていた岡山県倉敷市の小学5年の女児(11)が、岡山市内で無事保護された。監禁の疑いで逮捕された49歳の男は「下校途中に声をかけ、誘い出して車に乗せた」と供述している。
今回の児童の場合、学校と自宅間の距離は2㌔。歩いて登校するには少し長いが、周辺は住宅あり田んぼありの地方の街の典型的なたたずまいで、幸い通学途中で顔見知りや気にかけてくれる人もいた。不審者の目撃情報を得られたのはそのためだろう。
母親は全地球測位システム(GPS)機能付きの携帯電話を児童に持たせていた。日ごろの親の気遣い、近所の人たちの注意が早期解決につながったと言える。
韓国では昨年、実話を基に登校中の児童に起きた事件を描いた映画「ソウォン/願い」が注目され大ヒットした。かの地でもやはり同様の問題に関心が高い。劇的に変化する社会、地域の在り方を見据えた児童保護策を真剣に考える時だ。