中央アジアの親日国ウズベキスタンを同国政府…


 中央アジアの親日国ウズベキスタンを同国政府の招きを受け初めて訪ねた。かつてシルクロードの要衝として栄えた同国には豊富な観光資源がある。そのことをもっと日本人に知ってもらおうと、NHKと朝日新聞、小紙を招いたのだ。

 政府関係者や地方の首長からは、戦後復興を成し遂げた日本への讃辞が語られた。しかし日本への高い評価を決定づけたのは、戦後ソ連に抑留され、ウズベクで発電所などの建設作業に従事した日本人抑留者だ。

 その勤勉な働きぶりは、同国の人々の心にしっかり刻まれた。1966年に起きた地震ではほとんどの建物が崩壊する中、日本人が建設に携わったナボイ劇場だけが残った。

 もちろん故国の土を踏むことなく同国で亡くなった抑留者も少なくない。ソ連当局は抑留者使役の事実を隠すために、墓地を更地にするよう指令したが、ウズベクの人たちはそれをサボタージュし続けた。ソ連から独立した後、中山恭子駐ウズベク大使の要請に応えて同国政府が墓地を整備した。

 今回それらの墓地の一つを訪ねた。墓地はきれいに管理され、日本から移植された桜は既に散っていたが、その木は4㍍ほどの高さに生長していた。

 そんな親日感情をベースに、同国には日本語を学ぶ学生が多く、日本への留学経験もないのに、流暢(りゅうちょう)で正確に話すのに驚いた。今後、もっと留学生や労働者を受け入れ、関係を強化したい。