【上昇気流】感染状況の変化


東京の新型コロナウイルスの新規感染者数が激減している。8月中旬には1日として過去最多となる5900人以上を記録したが、10月下旬には約1年4カ月ぶりに20人を下回るなど減少傾向にある。

ワクチン接種後、経過観察のため待機する人たち =25日午前、新型コロナウイルスワクチン大規模接種センター大阪会場

政府分科会の尾身茂会長はその理由に人流の減少、感染対策の徹底、ワクチンの効果、天候などを挙げている。なるほど、そうかと思うが、政府の対策は今夏と変わらないのに急減したのは、各人の感染予防の工夫の成果が大いにあるだろう

こういった急減の報道を受け、感染状況の変化を敏感に感じ取ったのか、例えば東京郊外の京王線調布駅周辺の飲食・ゲームセンター街などは一昨日の週末、その1週間前とは違うかなりの人出だった。

「ウイルスは駆逐すべきものでなく、人間と共存すべきものである」というウイルス感染症対策専門家の声も耳にしたことがある。そう考えると、新規感染者の数字がどんどん下がれば、街に活気が戻って経済活動が進むのは当然のことだ。

一方、特に年配の人たちのうちには約2年もの間、心掛けてきた内向きの生活をどう維持していくか、あるいは切り替えていくべきなのか、思案を巡らし戸惑いが先立つという人も少なくないはず。今後、人々の生活様式は二分されていきそうな気がする。

コロナ禍は今後どういう推移をたどるのか分からないが、自分なりに共存の仕方を考え、生活に生かしていく。そんな心すべき時期が来ているように思う。