東京都への4度目の緊急事態宣言発令が決ま…


 東京都への4度目の緊急事態宣言発令が決まった。23日に開幕する東京五輪は、政府、組織委員会、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)による5者協議で、首都圏1都3県での無観客開催が決まった。

 菅義偉首相は「無観客も辞さない」と述べてきた。安全を優先する姿勢を示したつもりだろう。しかし、それであれば、なぜ同じ東京でプロ野球などの大規模イベントは、人数を制限しながらも観客を収容して開催するのか、大きな疑問が残る。

 4年に1度世界のトップアスリートを集めた大会を無観客にし、国内のスポーツイベントは観客を入れるというのは、どう考えても筋が通らない。

 国立競技場での感染の可能性についても、スーパーコンピューター「富岳(ふがく)」によるシミュレーションでは「マスクをして間隔を空けて着席すればゼロに近い」ことを萩生田光一文部科学相が公表している。

 人流増加への対策としては、観客に「直行直帰」を呼び掛けることなどが論じられていた。英国で欧州サッカー選手権の観戦で感染が拡大したニュースが盛んに報じられたが、マスクもせず、あんな応援をすれば当然だろう。日本でそれが再現されるとは思えない。

 無観客開催は、科学的な根拠よりも政治的な判断を優先したとみるしかない。開催そのものに反対してきた野党はもちろん、五輪を政治の玩具にし、弄んでいるようで、悲しさと憤りを覚える。