天気や気温、風速、風向きなどの気象情報や…
天気や気温、風速、風向きなどの気象情報や予報が携帯電話のアプリで、いつどこででも見られる。出掛ける際「もう一枚、羽織っていこうか」とか、外出中に「予定を早めに切り上げよう」など服装やスケジュールの調節に重宝している。
こうした日々の天気だけでなく、気象庁は「線状降水帯」の情報発信を6月にも強化することになった。昨年の九州の豪雨で7月の6日間に9回も発生し、ここ数年各地を襲う大雨による水害の主因でもある。
これまで線状降水帯については気象状況を分析し、事後的に発生事実や分析結果を発表するのみだったが、大雨と同時的に発信し、さらに2022年からは発生半日前の予報を目指す。データを基にスーパーコンピューターを利用するという。
「危険がどれほど近づいているか、リアルタイムに知ることができれば、避難のタイミングを自分で判断できるようになる。気象予報はそこまでいかないと」――土砂災害が起きるメカニズムの研究で大きな実績を残した新潟大学災害・復興科学研究所の福岡浩前所長(故人)は数年前、こう話していた。
半日前の線状降水帯予測、情報の素早い発信で、福岡さんの狙いに一歩近づくことができるだろう。
天気予報はスピード化とともに精度の高さが必須。地球温暖化でひょう、竜巻や突風などが各地で頻発している。これまで積み上げてきた予報への信頼を損なうことのないよう気象観測の努力も怠りなく。