「理系女子」を意味する「リケジョ」なる言葉が…


 「理系女子」を意味する「リケジョ」なる言葉が、メディアをにぎわしている。その輝かしい代表、小保方(おぼかた)晴子さんをリーダーとする理化学研究所の研究ユニットが快挙を成し遂げた。

 マウスの細胞を弱酸性液に浸して刺激を与えるだけで、万能細胞「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(STAP)幹細胞」を作ることに成功した。

 哺乳類では外部からの刺激で細胞の初期化は起きないとされていた定説を覆すものだ。英科学雑誌ネイチャーに発表されたが、2012年春の投稿では「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄(ぐろう)している」と痛烈な批判を浴び掲載を拒否された。専門科学者の立場からは、当然の反応だったのかもしれない。

 しかし小保方さんは、約1年かけ厖大(ぼうだい)なデータを集め、実証にこぎ着けた。科学の新発見や発明は過去の研究を踏まえながらも、それまでの常識や定説を覆してきた。柔軟な発想は女性ゆえに生まれたように思えてならない。

 歴史好きの女性をいう「歴女」など「◯◯ジョ」という言葉は、普通女性が関心を示さない分野に興味を抱く女性を指すものだ。しかしノーベル物理学賞・化学賞を受賞したマリー・キュリーを挙げるまでもなく、科学分野における女性の貢献は決して小さくはない。

 安倍晋三首相は、成長戦略の柱に、女性の潜在力を生かすことを挙げた。小保方さんたちの活躍で、そのイメージが具体的なものになってきた。