最近、地震が多い。スマートフォンから…


 最近、地震が多い。スマートフォンから警告音が鳴るようになったが、地震を体感する1、2秒前だから役立っているとは言い難い。自然の脅威は相変わらずだ。

 地震や洪水は地球表面を取り巻くプレート間の軋(きし)みによって起こり、その発生地点も事後にかなり正確に分かるようになってきた。しかし、プレート全体の動きや移動の原理についてはほとんど掴(つか)めていないようだ。

 現代社会でAI(人工知能)、デジタル化、脱炭素など技術革新に対する期待はますます大きくなっている。にもかかわらず、自然現象の地震や洪水に案外無力だという事実はしっかりと押さえておきたい。

 AIやデジタル技術の開発と地震や洪水対策のコラボを願いたいし、まず科学者らに地球・自然に対する畏敬の念がないと、技術への賛歌は限られたものにしかならない。今のAIは自然のほんの一部を切り取っての応用だ。

 逆に、原発施設など人間の手による地球上のあらゆる構造物は、自然の中に立地し地球環境に左右される一個の機械にすぎないことも理解されよう。この条件の下で、事故による被害をいかに最小限にとどめるかを技術の核心として設計、運用すべきだ。

 新型コロナウイルスは地球上の数多い病原体の一つにすぎない。ワクチンなどで一時的に鎮めるのは可能だが、共存条件を探りその方策を立てる時期が来ている。東京五輪・パラリンピック開催で元気を出そう! のメッセージ発信を。