差別の問題は広くて深い。女性差別は昨今…
差別の問題は広くて深い。女性差別は昨今話題になるが、日本でも欧米でも関心が高い。が、他にも問題になり得る件はいろいろある。
例えば高齢者。「老害」という言葉が広く使われるようになってから久しい。「害」という語が誤解を招きやすい。そんなことを言えば、定年も年齢による差別と見ることも可能だ。
「九州出身だから酒が強い」という言い方も何度も聞いたことがある。真実を言い当てているように一見思えるが、九州出身で酒が全く飲めない人もいる。九州とは無関係だが、「飲めそうな顔」などとも言われる。だが実態は不明だ。「たばこを吸いそうな顔」はなぜか聞かない。
通説のように言われていても、正確な認識とは言えないことが多い。「関西人だからお笑い好き」などと言うのもその類い。「だから」という接続語を使った話法に問題がありそうだ。「口が重いのは東北人だからだ」というのも同じだ。
「A型なのにいいかげん」とか「B型にしては生真面目」といった血液型に関する話題も聞く。血液型に関心を持つのは主に日本人のようだが、血液型と個性の間に関係があるかのような幻想が根深いのは確かだ。科学的根拠と共に提示されることはなく、「何となくそのようだ」というふうに21世紀の今も流通している。
都道府県の魅力度をランク付けするケースも話題になる。差別というわけではないが、各都道府県の優れた点をどこまで反映しているのか気になる。