フィンランドからの小紙「地球だより」 (9日付)…
フィンランドからの小紙「地球だより」(9日付)は、新型コロナウイルス感染の有無を匂いから嗅ぎ分ける探知犬がヘルシンキ空港に配置された話だ。特別に訓練された10匹の犬は、希望する乗客や空港スタッフを検査して判定するが、ほぼ100%の確率で分かるという。
<ホントかいな?>とつい疑ってしまうが、違法薬物の探知犬による摘発では実績がある。約1分で済むという検査は、これまでのPCR検査よりはるかに簡便。乗客は採取キットで皮膚を拭き取って指定容器に落とし、それを探知犬が嗅ぎ分けるだけ。
今後4カ月の試験期間に有効な結果が得られると、探知犬検査が公式に認められるといい、各国の関係当局も注目しているという。
匂いを嗅ぎ分けて真相に迫る能力は人間も持っている。十数年前と少し古いが、都内の超高層の億ションの住人から直接聞いた話である。臭気判定士なる職業も初めて知った。ここに引っ越してきた夫人が、住み始めてしばらくして体調不良に陥り、かすかな異臭を訴えた。
他の住人の苦情はなく、管理会社が最新機器を駆使して何回も調べたが分からない。そこで依頼されて廊下中を這(は)うように丹念に匂いを嗅ぎ回った臭気判定士が、かすかな異臭箇所を特定した。
剥がした床面の裏側は一面有害なかびに覆われていた。高級マンションにあるまじき施工不良が分かったのである。特殊な嗅覚を鍛えた人間や犬のスゴさに改めて感心した。