久しぶりに近所の緑道を歩いた。すれ違う…


 久しぶりに近所の緑道を歩いた。すれ違う人は、ジョギングする人も含め、ほぼ皆マスクをしている。周りに人が少なくなったのを見計らって鼻の部分だけマスクを外すと、爽やかな薫風が鼻孔いっぱいに広がった。

 「風薫る五月」というけれど、こんなに新緑の薫りを新鮮に感じたのは初めてのような気がする。緊急事態宣言が延長され、不自由や制限が続く中での「気づき」の一つである。

 昨日の東京都の新型コロナウイルスの新規感染者は39人で、3日連続で50人を下回った。感染者は減ってきているようだが、気の緩みは禁物。NTTドコモの調べでは、連休中80%ほど減っていた東京・JR新宿駅周辺の人出は、連休が明けた7日は64%減だった。

 新型コロナとの戦いが長丁場となることを予想し、厚生労働省は専門家会議の提言を踏まえて「新しい生活様式」を発表した。その実践例として「人との間隔は、できるだけ2メートル(最低1メートル)空ける」などと示されている。

 これは既に定着した感があるが、中には「会話をする際は、可能な限り真正面を避ける」というのがあり、なかなか難しそうに思われる。かなり不自然な感じもするし、相手に失礼にならないかと心配する人が多そうだ。

 お互いのことや社会のことを思っての行為と受け入れられるようにするには、ロールプレイのような見本があれば助かるのだが。新しいことを「様式」として定着させるには工夫が必要だろう。