英国首相の上級顧問が、自身のブログに…


 英国首相の上級顧問が、自身のブログに「首相官邸で当局者と共に働く多様な技能や生い立ちの持ち主」を探していると投稿。データ科学者やソフト開発者、政策専門家などのほか、「奇妙な技術を持った変人」は連絡してほしいと募っている。

 それに応募した一人が、あのスプーン曲げで有名な「超能力者」のユリ・ゲラー氏(73)。応募書類で「予言科学の最前線にいる人物を探しているようだが、ここにいる。私には真の心霊能力がある」と主張した(本紙11日付)。

 首相周辺が変人、奇人を公募し、それを自認する人たちが応えるというのは、何とも奇妙な感じだ。ただ英国は、過去にも市井の知恵を広く求め生かす努力をしている。第2次世界大戦中に、チェスの英国チャンピオンや言語学者など6人が集められたのはその一例だ。

 6人の中には数学者チューリングがいた。彼は変人で通っていたが、ナチス・ドイツの暗号「エニグマ」を解いて戦争を英国の勝利に導き、後に今日のコンピューターの仕組みの基本概念を提示した。

 ニュートンを生んで物理学の先駆国となった英国は、学問上の権威、格付けを重視する一方、素粒子の分野で一般人が超一流の研究成果をものにしたりしている。日本ではあまりないことだ。

 今回も広く国民に問い、知恵を拝借しようということだろう。ゲラー氏は採用されるのか、もっと大物が釣り上げられるのか。多事多難の英国で、人材の層の厚さが見られるか。