女性の幸せ度合


 3月20日は国連が定めた「世界幸福デー」。先ごろ、国連が発表した世界の幸福度に関する報告書では、幸福度上位はスイスを筆頭に、アイスランド、デンマーク、ノルウェー、カナダ、フィンランドなど北欧諸国が並んだ。日本は46位で、メキシコ、チリ、タイ、台湾、ウズベキスタンより下位だ。幸福度は測る指標によるから、家族、教育、治安といった尺度で測れば、違った結果が出るだろう。

 内閣府の幸福指標では幸福度を押し上げるプラス要因として、女性、既婚、子供、世帯年収、高学歴、学生、困った時に相談できる人がいる、を挙げている。

 各種の幸福度調査をみると、日本は概ね男性より女性の方が幸福度が高い。専業主婦の幸福度が高いという調査結果もある。

 博報堂が行っている「地域しあわせ風土調査」は興味深い。これは、少子化による地域消滅の危機を克服するカギは女性にあるとして、地域の女性の幸せ度合を比較調査している。

 女性が一番幸せだと感じる地域のトップは沖縄。次に鹿児島、熊本、宮崎、兵庫、福岡など、九州勢が上位を独占した。沖縄が舞台となった朝ドラ「ちゅらさん」を思い出すと、沖縄の幸せ度は納得できる。

 さらに、女性の幸福度が高い地域ほど、出生率も高く、当然のことだが未婚より既婚者、子無しより1人、1人より2人、2人より3人が幸せ度が高いとリポートはまとめている。

 職業別の幸福度をみるとさらに興味深い。自営業、専門職、公務員がほぼ同レベルで高く、次に専業主婦が続く。

 会社員・役員は専業主婦より幸福度が低い。だからといって専業主婦を奨励するつもりはないが、男女問わず、長距離通勤、長時間労働で家庭で家族と過ごす時間が少ないからではないか。イクメン、イクジイが流行(はや)るのも幸せを味わい損ねた男性のやり残し願望なのかもしれない。(光)