少し嫌だなと思う梅雨に入ったが、スーパー…
少し嫌だなと思う梅雨に入ったが、スーパーの野菜コーナーには長さ10㌢ぐらいの五角柱状の朔果(さくか)を詰めた深緑色のアミ袋が並ぶ。袋の中は緑色鮮やかな、今からが旬のオクラである。タイやフィリピン産の輸入ものは春先から出回っているが、鹿児島、高知、沖縄県など国産ものが本格的にお目見えしてきた。
切ると独特のヌメリを帯びるが、この成分に免疫力を高める作用がある。整腸作用があり、便秘や下痢によく、動脈硬化症、胆石症の予防効果も。
ビタミンやカルシウム、カロテン、鉄などを豊富に含む。まさに元気野菜の優等生で、梅雨バテ、夏バテ予防にもってこいの食材と言える。
料理も手軽。生食でも、さっと茹(ゆ)でるだけでも食べられるから、あとの味付け次第で多彩な料理が楽しめる。輪切りにして味ポン酢にかつお節を絡めたり、納豆に合わせたり、冷や奴(やっこ)に掛けたり、スープやカレーなどに煮込んだりするのもいい。
オクラというと日本語のようだが、実は英語名の「okra」に由来する。アフリカ北東部が原産地で、今は熱帯、温帯の各地で広く栽培される。日本には明治初期に米国から入ってきたが、普及したのは近年になってから。
国内ものの生産合計は1万2295㌧(平成24年)で、鹿児島県が約40%の4930㌧、高知県が約16%の1954㌧と両県で過半を占める。都内スーパーに並ぶオクラの価格は、12個ほど入った1袋が150円前後と手頃である。