人間が掌握し得る自然界の領域は、科学技術…
人間が掌握し得る自然界の領域は、科学技術の進歩とともに急速に広がってきている。その大きな成果の一つは、ドローン(小型無人機)の登場によるもの。
昨年7月公開のオーストラリア映画「クレイジー・フォー・マウンテン」は、山岳映像と音楽のコラボ作品で、究極の冒険をリポート。ドローンなくしては撮影不可能だった。
クライマーが憧れる世界の山々が舞台で、ノーザイルで垂直の岩壁を登る男、めまいがするような雪と岩の登攀(とうはん)、空を飛んで滑降するスキーヤー、ウイングスーツを着て頂から飛翔する人たち。「冒険家たちの野望は前代未聞の挑戦」が主題だ。
ドローンはさまざまな分野で開発、改良が進められている。福島県相馬市の海水浴場では、川や海での離着水が可能なドローンの飛行実験が行われた(福島民友5月24日付)。ベンチャー企業「スペースエンターテインメントラボラトリー」が開発。
ヘリコプターに近い従来型ではなく、固定翼のある飛行艇型で、主翼前方のプロペラの回転で飛び、方向転換用の補助翼もある。全長2㍍、翼幅3㍍、重さ約15㌔、連続飛行時間は2時間。
洋上での密漁船監視や遭難者捜索が期待されている。一方、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とスカパーJSATは、衛星通信装置を積んだドローンで通信状況の悪い山岳地帯の遭難者を捜索する実験に成功(小紙6月1日付)。活躍の場はますます増えるだろう。