メーカー各社、次世代カーナビに本腰


事故防止へ開発競争が激化

メーカー各社、次世代カーナビに本腰

三菱電機が東京モーターショーで披露したヘッドアップディスプレー型カーナビの試作品

 カーナビ各社が、前方を向いたまま視線をあまり移動させずに、運転ルートなど道路情報を確認できるようにした次世代製品の開発に本腰を入れている。各社は事故防止が期待できるとみて、開発競争が激化。最近はスマートフォン(多機能携帯電話)にシェアを奪われてきただけに、「カーナビ復権」の切り札と位置付けている。

 特に開発に力を入れるのが、フロントガラスに道路情報を表示するタイプ。三菱電機は先ごろ、事故発生など走行中の危険を事前に察知し、ドライバーに注意喚起する機能を搭載した試作品を披露した。同様のシステムを開発中のパナソニックは「複数の自動車メーカーに提案している」(津賀一宏社長)という。

 商品化がより進んでいるのは、運転席正面のサンバイザーの部分などに装着した「ヘッドアップディスプレー(HUD)」と呼ばれる小型モニターに道路情報を表示するタイプ。最大手のパイオニアは2012年に他社に先駆けて投入し、その後もラインアップの拡充を図っている。現時点では価格などの点で「(販売状況は)なかなか厳しい」(パイオニア)という。ただ、業界内には、次世代型の世界市場は20年に1000万台規模と、現在の約10倍に拡大するとの予測がある。

 国内では少子高齢化を背景に、高齢ドライバーが増えている。各社は次世代型を事故防止に役立てたい考えだ。