肉まんを電子レンジで温める際、加熱時間…
肉まんを電子レンジで温める際、加熱時間の設定(700ワットで約4分)が長過ぎて発火し火災に。煙を吸い込んだ男性が負傷(事例1)。生のサツマイモを10分加熱し、さらに5分加熱を設定して温めると芋が燃えだし、電子レンジから煙が出ていた(事例2)。
なぜ料理を温められるのか。その原理がよく分からなくても、とにかく便利な調理器具として重宝されている電子レンジによる火災が増加傾向だという。
東京消防庁が冒頭の事例を挙げ、必要以上の長時間や調理不可の包装のままの加熱など、誤った使用方法による火災に注意を呼び掛けている。現代的な火災事情をもう一つ。
火災と言えば、まず消火器の活用がアタマに浮かぶが、それもよく状況判断して身の安全を確かめてから。現代の住宅火災は、多用される新建材により発生する有毒な煙を吸い込む事例が少なくない。
このため特に高齢者が、消火活動で逃げ遅れがちだと警告する専門家もいる。<体力の減退に自覚がないので、逃げようと思った時にはすでに手遅れなのだ>(辻本誠著『火災の科学』中公新書ラクレ)。
昨年は全国で1日当たり約108件の火災があり、約4人が亡くなっている。「火の用心 一人一人の 心掛け」(向井洋平さん、東京・葛飾区)が今年の東京消防庁防火標語となった秋の火災予防運動は15日まで。
運動は終わっても、空気が乾燥し火を使うことの増えるのはこれからの季節。用心に用心を重ねたい。