日本電産(本社・京都市)の会長兼社長で…
日本電産(本社・京都市)の会長兼社長で京都学園大学の運営法人理事長に就任した永守重信さんが、早速大学の改革を打ち出し話題になっている。来年2019年に大学の名称を京都先端科学大に変え、20年には工学部を新設する予定で「私財をなげうってこの大学を大きく変える」と。
先端技術のイノベーションは文字通り日進月歩で、例えば電気自動車やロボット、小型無人機(ドローン)の需要が広がっているのに、それを担うモーター関連の技術教育がおぼつかない。永守さんは「日本電産グループとの連携で長期インターンシップによる単位取得も可能にする」ことで有能な学生たちを育てたいという。
地方の大学が生き残るには、その地域になくてはならない存在になることだ。京都学園大は産学協同という形で、地元に根を下ろす企業とその将来を創っていこうというわけだ。
地場産業が盛んな地域では、担い手となる若い人材を大学が育成する取り組みも行われている。
例えば山梨大では、ブドウ栽培から醸造まで一貫教育して地元のワイン産業の人材を確保している。鹿児島大は焼酎や黒酢などの伝統産業、八戸工業大(青森県)はフラットパネルディスプレーなど先端産業の技術者を育てている。
大学と地元企業の協同は、地方創生のカギの一つだろう。このためにはなかなか難しいことだが、大学機関の研究者、教授と企業の技術者との日常的な交流も求められる。