子供の存在が支えに、試合後は優しい顔に


カーリングの小笠原と船山、3度目の五輪はママとして

子供の存在が支えに、試合後は優しい顔に

ソチ五輪出場を決め、ポーズを取る左から吉田、苫米地、小笠原、船山、小野寺の北海道銀行メンバー=15日、ドイツ・フュッセン(時事)

 カーリングのソチ五輪世界最終予選で15日、女子日本代表の北海道銀行が最後の切符をつかんだ。チームの中心は小笠原(旧姓小野寺)歩と船山(旧姓林)弓枝。ともに一度引退した後、結婚と出産を経て「夢に向かって頑張りたい」(小笠原)と競技に復帰。その原動力になったのは子どもの存在だった。

 2人は2010年秋に復帰を表明。船山が「まさかこんな短期間で結果を出せるとは思わなかった」と振り返るように、苦難の道のりだった。メンバーも思うように集まらず、本格的な始動も遅れた。子育てとの両立も想像以上に大変だったが、「周りに助けてもらい、カーリングに集中できた」と小笠原。今年9月に日本代表決定戦を制し、五輪への挑戦権を手にした。

 最終予選では、調子が上がらず格下にも苦戦した。「実家に預けている娘が仏壇や神棚に手を合わせて応援していると聞いた。一緒に戦っているんだなと思った」と船山。そんな思いを知って奮起。尻上がりに調子を取り戻し、最後の1枠に滑り込んだ。

 自身3度目の五輪出場を決めた船山は「娘から勝ってね、と言われていた。寂しい思いをさせたので、飛び切りのプレゼントをしたい」。氷上の厳しい表情から、優しいママの顔になった。(フュッセン〔ドイツ〕時事)