米国の第5代大統領モンローがいわゆる…
米国の第5代大統領モンローがいわゆるモンロー宣言を出したのは、1823年のきょう。当時、ロシアによる米西部沿岸への進出や、ヨーロッパ諸国の南アメリカへの干渉の動きがあった。
モンローは議会に寄せた教書の中で、他国の拡張の意図を「平和と安全にとって危険なもの」と断じたが、米国は「従来干渉しなかったし、また将来もしないであろう」と。当時「米国は米国だけを守る」という外交政策を取った。
その後時代は大きく変化し、米国は力を蓄え超大国になった。今日、米国が世界の中で特別な責任を果たす道義があるとの信念を失えば、大きな混乱が起きるのは必至だ。
中国が東シナ海に沖縄県・尖閣諸島を含む防空識別圏を設定したことについて、安倍晋三首相は「私たちは冷静に対応しているということを国際社会にアピールしていく」と。国際世論を味方に付け撤回を迫る決意を示した。
米国も即座に中国に対し「いたずらに扇動的だ」「米軍は経路の通報などの措置を一切取ることなく飛行できる。軍事活動のやり方を変えるつもりはない」とキッパリ。もちろん米国にとっても国益を損ないかねない事態だ。
そうは言っても米国の素早いリアクションは日本政府への配慮、今後の共同対処への意欲を前面に出したもので、正直、ずいぶんありがたく心強い。「苦しい時の友こそ、本当の友」であり、普段から両国関係を強化する努力を怠ってはならない。