伊藤若冲の傑作「孔雀鳳凰図」を発見
江戸時代中期に京都で活動した画家、83年ぶり幻の花鳥画発見
江戸時代中期に京都で活動した画家・伊藤若冲(1716~1800年)の花鳥画で、長く所在不明だった「孔雀鳳凰(くじゃくほうおう)図」が83年ぶりに発見されたことが14日分かった。最高傑作「動植綵絵(さいえ)」30幅の直前に制作したとみられ、今後の研究に影響を与えそうだ。
所蔵する岡田美術館(神奈川県箱根町)によると、作品は一対の掛け軸の形で各縦140・8センチ、横82・6センチ。絹地に極彩色で、松やぼたんを背景にした孔雀図と、同じく松や日輪を伴った鳳凰図から成る。
小林忠館長は「素直で若々しい描写で、初期の作品と『動植綵絵』をつなぎ、若冲の成長がより見えるようになった」と話す。
1926年、美術誌「国華」に白黒図版で紹介され、33年に国の重要美術品となったが、その後所在不明に。昨夏、同美術館が東京都内で発見し、小林館長や若冲研究の第一人者、辻惟雄東大名誉教授が真筆と鑑定した。
作品は4月22日から東京都美術館で開催される「生誕300年記念 若冲展」で公開予定。