玩具大手、「イケメン」アニメキャラが急増中


「大人の女性」をターゲット、「2・5次元アイドル」として

玩具大手、「イケメン」アニメキャラが急増中

「ドリフェス!」のアニメキャラクター(©BNP/BANDAI,DF PROJECT)

 女性のハートをとりこにする「イケメン」のアニメキャラクターが急増している。大手玩具メーカーがキャラクターを独自開発し、ゲームやライブイベントなどを通じた多角的な販売戦略を展開。玩具業界でこれまで対応が手薄だった「大人の女性」を、新たな顧客にしようとの狙いだ。

 バンダイは2015年9月、5人組の男性アイドルユニットを応援するプロジェクト「ドリフェス!」をスタート。ゲーム上などで活躍するアニメキャラと、それぞれのキャラに扮(ふん)する生身の男性5人を一体的に「2・5次元アイドル」として売り出す試みだ。担当者は「彼らの成長をファンが多面的に応援できるようにする」と狙いを説明する。

 今後はキャラクターを使ったカードやゲームの販売と同時に、男性5人によるCD発売やライブ開催など多彩なイベントを計画している。

 サンリオが売り出したイケメン4人のロックバンド「シンガンクリムゾンズ」も、大人の女性のファンが多い。13年から展開しているゲーム向けバンドキャラクターの一つで、15年にテレビアニメ化され、人気に火が付いた。

 東急ハンズなどの雑貨店やカラオケ店などと連携したイベントを積極展開。今年2月には、舞台俳優がバンドメンバーに扮するミュージカルの公演が東京・六本木で行われる予定だ。サンリオは「従来とは違った販路を開拓できた」(担当者)と手応えを感じている。

 東京・秋葉原に見られるように、男性好みの美少女アニメキャラクターは数多いが、女性向けのイケメンキャラはまだまだ少ない。

 そこにバンダイなど資金の豊富な大手が相次ぎ参入し、イベントやグッズなどの関連市場が一気に広がる気配だ。イケメンキャラたちは、少子化で縮小しつつある玩具市場を救う「王子様」になるのか。今後の動向に注目が集まる。