浅田真央、中国杯フィギュアで2季ぶり優勝
かき乱された心、ジャンプでミス重ねる
逃げ切って何とか頂点に立っても、にこりともしなかった。ジャンプでミスを重ねた浅田は締めのポーズを解くと、がくりと肩を落とした。大きく崩れたフリー。SPの貯金で2季ぶりのGP初戦を飾ったが、「納得していない」。表情は消えたままだった。
冒頭のトリプルアクセル(3回転半)は加速の利いた踏み切りから鮮やかに着氷。出来栄えで1・86点の加点が付いた。SPに続いて成功。「楽に跳べる。もうエレメンツ(演技要素)の一つ」と言うように、大技にはもう手に汗を握る危うさはない。そこからが、まさかの展開だった。
連続3回転の2本目のループで乱れた。「予想外だった」という失敗から、リズムを失った。3回転ルッツが2回転となり、後半の3連続ジャンプはフリップが抜けて1回転の単発に。「気持ちが前に前に出てしまい、平常心を保てなくなった」と、心をかき乱された4分間を振り返った。
かつてないほど難度の高い構成で挑んだSPはまとめたが、フリーでつまずいた。現役続行を表明してから約半年。個々のジャンプは、もう問題ない。「全体を通した仕上がりの部分で、もっと練習しなくては」と言う通り、足りないところが見えた。貫禄の優勝。でも、まだ完全復活への途上だった。(北京時事)