ナビスコ杯サッカーで鹿島が3年ぶり6度目V
常勝復活へ第一歩、36歳主将の小笠原が渋い働き
他の追随を許さない17個目のタイトルが、渋く光った。鹿島がG大阪に3発を浴びせて完勝。主将の小笠原は「チーム一丸で手にした優勝。みんな何をすべきか理解できていた」。大会最長年となる36歳の最優秀選手が、優勝カップを掲げた。
低調な出だしが続いていた最近のリーグ戦とは、見違えるような積極性だった。2トップの金崎と赤崎がプレスをかけ、パスコースを絞る。中盤の小笠原は動き回り、ボール奪取を繰り返した。「戦う姿勢と勝ちに執着する気持ちを90分間出せたのがよかった」。ベテラン自らが示した献身性が攻守にリズムを与えた。
世代交代途上のチームは7月、成績不振でトニーニョ・セレーゾ前監督が解任された。その直後の食事会で小笠原が言った。「監督が代わっても、選手が変わらないと意味がない」
その気概を自ら体現した。後半15分の先制点、終盤の金崎の追加点を左CKでお膳立て。3点目も自身が起点となった。G大阪の今野は「激しく戦う姿を若手に見せていた」とため息をついた。
名門の伝統が身に染み込んでいる。「優勝できたのはうれしいが、一つ取っただけで満足してはいけないのが鹿島だ」と小笠原。3年ぶりのタイトルは、常勝軍団の復活の第一歩にすぎない。