日本画家が「飛天」再現
平等院鳳凰堂の仏後壁調査
1053年に建てられ、現在修理中の国宝平等院鳳凰堂で、本尊阿弥陀如来の後ろにあって普段は見えにくい板壁画「仏後壁」の調査が行われた。空を舞う天人「飛天」を描いた部分が、日本画家で東京芸大准教授の荒井経さんによって復元模写され、14日公開された。
仏後壁は高さ3・4メートル、幅3・7メートル。絵は不鮮明ながら、手前に池、中央に仏堂、その上に虚空が広がる。赤外線撮影によると、飛天などに下描線はほとんどなく、墨線による一筆でよどみがないという。卓越した絵師の仕事とみられる。
巨大な絵の上部に描かれた飛天は約4センチ、顔は4ミリにも満たない小ささ。「バレリーナのごとき伸びやかさで、天衣をなびかせながら滑空している。当時の絵師が足場を作って登り、垂直の壁に描いたのかと思うと驚きだ」と荒井さん。
復元模写された絵は、23日から東京・六本木のサントリー美術館で平等院鳳凰堂の国宝を特別公開する「天上の舞 飛天の美」展で展示される。