梶田隆章さん、笑顔を見せ「本当なのかな」
「恩師の小柴昌俊教授に直接お礼したい」
素粒子ニュートリノの研究でノーベル物理学賞に決まった東京大宇宙線研究所長の梶田隆章さん(56)は、受賞決定の知らせから一夜明けた7日朝、東京都文京区の東京大学本郷キャンパスにある山上会館に午前6時40分ごろ姿を現した。「少し冷静になったが、本当なのかなと不思議な感覚だ」と笑顔を見せた。
6日夜は東大での記者会見の後、日付が変わった7日午前2時ごろまで報道各社の取材に応じた梶田さん。近くのホテルに移り、一刻も早く寝ようとしたが、「神経が高ぶりあまり眠れなかった」。2人の子どもとも話せず、数多く寄せられたお祝いのメールや電話にも対応できていないという。
研究は以前から受賞の可能性があるとみられていた。梶田さんは「多少意識はしていた」が、決定の知らせを受けた後でも「信じられない気持ちだ」と明かした。
今会いたい人として、恩師であり同じノーベル物理学賞受賞者でもある小柴昌俊東大特別栄誉教授の名を挙げ、「先生のおかげで(賞を)取れた。直接お礼をしたい」と語った。
ニュートリノ研究が改めて脚光を浴びたことについては、「研究に弾みがつくのであれば非常にうれしい」と述べ、研究仲間にエールを送った。
8日からは海外出張。その後も多忙な日々が続く。梶田さんは「きょうは少しゆっくりしたい」とほほ笑んだ。