今年の<ノーベル賞週間>初日の昨日、…
今年の<ノーベル賞週間>初日の昨日、さっそく大村智・北里大特別栄誉教授(80)の医学生理学賞受賞の朗報が入ってきた。寄生虫の感染症に対する新治療法の開発が受賞理由。脚光を浴びる研究の有力候補目白押しの中で大村氏は目立たなかったが、そんな地道な業績もしっかり見逃さず評価した。
改めて同賞選考の目配りの確かさを裏付けたと言えよう。この後きょうが物理学賞、明日が化学賞と週前半は自然科学3賞の発表が続く。ノーベル賞には他に経済学賞(12日発表)など3部門あるが、識者の中には真の賞は自然科学3賞だけと言う人も。
「経済学賞は正式には『アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞』というもので本当のノーベル賞ではない」。文学賞は主観が入り過ぎ「平和賞に至っては金大中、カーター、オバマ大統領と並べただけでほとんどジョークだ」(「藤原正彦の管見妄語」週刊新潮2014年10月30日号)と。
これで自然科学3賞を受賞した日本の研究者は20人となった。受賞ラッシュとなった00年以降に限ると15人を数え、何と米国に次いで世界第2位である。
創始された1901年から数えても、戦前の獲得ゼロでも日本は米英独仏に続く5位。戦前でも、血清療法を発見した北里柴三郎博士ら受賞して当然の業績の人もいた。
その北里大からの受賞者。日本は科学研究の水準が高く、かつ裾野も広く底力のあることを示した。