「日本人はスポーツ好きだが、同時に…
「日本人はスポーツ好きだが、同時に『スポーツをする時間が取れない』『1人でスポーツ施設に通うのは億劫だ』などの理由から、スポーツをしていない人がまだまだ多い」(東潔著『スポーツ・インストラクターの仕事と資格』)という。
また内閣府「体力・スポーツに関する世論調査」(平成21年)で、子供のスポーツや外遊びの環境について、自身が子供の頃と比較して「悪くなった」「どちらかといえば悪くなった」を合わせた割合は全体の66・4%。スポーツ好きだが、してはいないことの背景にはこんな事情もある。
総じて、関心はあっても楽しんでいない“スポーツ下手”が多い。主婦が洗濯、掃除をすること、サラリーマンが営業で歩くことなどはスポーツをするとは言わない。あくまでそのために時間を取り、そうすることで喜びを感じようとするアクションのことだ。
発足したスポーツ庁の鈴木大地長官は「スポーツを社会の発展につなげるよう精進したい。5年後、10年後につくってよかったと言われるような庁になればいい」と抱負を語った。
スポーツを通じた国民の健康増進が大きな柱で、「健康寿命」を延ばし医療費抑制につなげる。また地域スポーツの振興は地域コミュニティー復活の役割を担う。
当面、五輪に向けた選手強化や競技施設の整備促進に忙しいが、今後の国民の生活スタイルに多大な影響を与えうる施策を担う部門との自覚が必要だ。