福島沖で洋上風力発電開始 官民共同で実験
福島県楢葉町の沖合20キロに浮かぶ洋上風力発電設備で11日、商用化に向けた実証実験が始まった。海に浮かぶ土台に設置された直径80メートルの風車1基が最大出力2000㌔㍗で発電を行い、海中の送電ケーブルで電気が送られた。東北電力を通じ配電され、約600世帯分の電力が賄われる。
経済産業省と丸紅など企業10社、東京大学が協力し、2015年度まで実証実験を行う。海底に支えのない「浮体式」で、全ての発電所機能を海上に設置するのは世界でも珍しい。
佐藤雄平福島県知事は運転開始式に出席し、「原発事故で厳しいが、産業を興していく。未来のシンボルだ」と洋上風力発電に期待を込めた。
14年度には最大出力7000㌔㍗で世界最大規模の風車を2基増設する計画。周辺環境への影響調査や漁業関係者らを交えた協議会を設置し、地元の理解を得たい考えだ。
同日午後、報道陣に海上で風力発電設備が公開される予定だったが、悪天候で中止になった。