520人に鎮魂の祈り、日航機墜落30年慰霊式
上野村の「慰霊の園」で、遺族ら350人がろうそくともし献花
520人が犠牲になった日航機墜落事故から30年となった12日夕、墜落現場がある群馬県上野村の「慰霊の園」で、遺族ら約350人が参列し追悼慰霊式が行われた。
夕闇迫るたそがれ時。墜落現場の「御巣鷹の尾根」の方向を向いて建てられた三角形のモニュメントの前には祭壇が置かれ、スピーカーから静かな音楽が流される中、喪服に身を包んだ遺族は白い菊を1輪ずつ献花。静かに手を合わせ、犠牲者の冥福を祈った。大西賢会長ら日本航空幹部や大沢正明群馬県知事らも花を手向けた。
墜落時刻の午後6時56分、モニュメントの周囲に並べられた520本のろうそくに1本ずつ火がともされ、全員がそろって黙とうした。
娘由美子さん当時(24)を亡くした横浜市の吉田公子さん(81)は「体力も年々限界に近づいており、いつまで慰霊に来られるか分かりません」と言葉少なに語った。
日航によると、この日は106家族406人の遺族が御巣鷹の尾根に慰霊登山をした。405人が登った2005年を上回り、30年で最多となった。