オーストリア皇太子の愛人の遺書を発見
2人の悲恋は小説「うたかたの恋」の題材に
オーストリア国立図書館は3日までに、1889年にオーストリア皇太子ルドルフと心中した愛人の男爵令嬢マリー・ベツェラの遺書が見つかったと発表した。図書館は「驚くべき発見」と意義を強調している。
競馬場で知り合ったルドルフとマリーは、銃で心中したとされる。ルドルフは30歳、マリーは17歳だった。2人の悲恋は小説「うたかたの恋」の題材となり、映画やドラマで取り上げられたほか、宝塚歌劇団も舞台化した。
図書館によると、遺書はウィーンの銀行が1926年に預けられた書類入れを調べた際に発見された。遺書には2人の遺体が見つかった山荘の名前が入った便箋が使われ、封筒はルドルフの封蝋で閉じられていた。
母親ときょうだいに宛てた遺書には「私の行為をお許しください。愛にはあらがえない」「生きるより死ぬ方が幸せ」とつづられている。
遺書はマリーの母の死後、破棄されたとみられていた。図書館は遺書の科学的調査を実施。遺書の実物の発見は「歴史研究にとって非常に重要」と強調している。(時事)