ファストフードで「ちょい飲み」


各社、客単価アップに照準

ファストフードで「ちょい飲み」

午後5時以降はワイン飲み放題などのメニューが楽しめる=1日、東京都豊島区

 ハンバーガーや麺類など、昼食の需要を主戦場とするファストフード店が、会社員らに手軽な価格で酒を提供する「ちょい飲み」に力を注いでいる。酒やつまみを提供し、客1人当たりの売上高をアップさせるのが狙い。各社は新メニューを投入するなどして喉が渇く夏本番を迎えた。

 長崎ちゃんぽんのリンガーハットは、浅草店の2階を試験的に居酒屋風に改装。「ちゃんぽん酒場」と名付け、6月下旬から生ビール(313円)や野菜豚焼き串(194円)など低価格メニューを提供している。

 売上高の目標は改装前の3割増としたが、7月中旬までの3週間は4割増。同社では「天候不順だったのに想定以上に酒類販売が伸びている」と手応えを感じている。

 フレッシュネスバーガー運営のフレッシュネス(東京)は、全国50店舗で午後5時から「フレバル」を展開。1時間のワイン飲み放題(1058円)、生ハム食べ放題(540円)が売りだ。

 牛丼の吉野家は「ちょい飲み」店舗を拡大中。客席や調理場に余裕がない小規模店でも枝豆(150円)や子持ちししゃも(350円)など簡単なつまみを出す「吉呑み(よしのみ)チョイ」を139店舗に広げた。

 ファストフード各社は、夕方以降の売り上げが落ちるのが課題だ。客1人当たりの売上高は通常1000円以下だが、酒類を売れば1000~2000円を狙えると判断。「ちょい飲み」客の取り込みに躍起になっている。