経産省、スマホ向け日本酒の無料アプリを開発
ラベルから銘柄情報を読み取り、「クールジャパン戦略」の一環
経済産業省は、日本酒の瓶のラベルにスマートフォンをかざすと、アルコール度数や使用しているコメ、蔵元に関する情報などが読み取れる無料アプリを開発する。日本文化を海外に発信する政府の「クールジャパン戦略」の一環で、情報は日本語に加えて英語でも表示し、輸出拡大につなげる。10月中の完成を目指しているアプリはまず10銘柄程度を対象に実証実験した上で、2016年度以降に他の銘柄へも拡大する。同省によると、国内に現在ある日本酒銘柄は1700~1900程度。国内の日本酒用ラベルの7割を製作する高桑美術印刷(金沢市)が協力し、必要な情報をラベルに載せることになっており、同省の担当者は「1000銘柄以上を対象にしたい」と話す度数、コメ、お勧めは「熱かん」か「冷や」かなど銘柄自体に関する情報に加え、蔵元がある地域の情報も提供。酒造りのストーリーが分かる動画も表示できるようにする予定で、海外から現地への誘客も狙うワインのラベル表示の内容が使用するブドウ品種や産地など統一されているのと異なり、日本酒のラベル表示内容はばらばら。さらに用語の定訳もないことが、海外での販売促進の障害になっていた。同省は国税庁の協力を得て、訳語の整理を進めており、アプリで情報発信の統一を図る。