女子W杯でなでしこ好発進、スイスに1-0
初戦で一体感、経験でもスイスを上回る
試合前日の記者会見で、佐々木監督は初戦の独特な雰囲気を「魔物がすむ」と表現した。連覇を狙うなでしこジャパンがスイスを下して白星発進。どんなチームでも苦しむ緊張感を経験の強みで乗り越え、1次リーグ1位通過に弾みをつけた。
試合開始直後、スイスのプレスに警戒していたような厳しさはなかった。大儀見は「表情も硬く、アグレッシブさがなかった」と冷静に相手を見ていた。日本は相手守備陣の裏のスペースを積極的に狙った。W杯初出場の有吉も右サイドを駆け上がり、躍動した。
好機は日本のペースの中で訪れた。パスを受けた大儀見が振り向きざまに浮き球のスルーパスを送り、反応した安藤が倒されてPK。宮間が落ち着いて蹴り込み、この1点を守り切った。
有吉は、ベテランのおかげで緊張感を力に変えられたと明かした。試合前、大儀見は皆の輪の中で歌って緊張をほぐし、宮間は「ここに来られたことに自信を持って、来られなかった仲間の分も頑張ろう」と声を掛けた。
「トーナメントを戦うには一体感がいる。お互いに助け合う気持ちが強く、いいチームだと思う」と大儀見は語った。スイスは3月のアルガルベ杯では日本を上回る8位。簡単な相手ではなかった。「とにかく勝ち点3を取れたことを評価したい」。指揮官も安堵(あんど)の笑みを浮かべていた。(バンクーバー時事)