公園遊具も健康志向、高齢化背景に増加


背筋伸ばすベンチや懸垂用鉄棒などの健康器具が増える

公園遊具も健康志向、高齢化背景に増加

日比谷公園に設置された、背筋を伸ばすベンチ(手前)や懸垂用の鉄棒などの大人向け遊具=3日午後、東京都千代田区

 全国の公園に設置された遊具のうち、主に大人が利用する「健康器具系施設」が大幅に増えたことが3日までに、国土交通省のまとめで明らかになった。体力維持を目指す高齢者のニーズ増加が背景にあるとみられる。

 国交省によると、2013年度に全国約14万6000カ所の公園を調査。遊具は総数約46万4000基あり、ブランコが最も多い約7万基、滑り台や砂場も6万基を超えていた。

 一方、背筋を伸ばせるベンチや懸垂用の高い鉄棒など健康器具系施設は2万6362基で、調査を始めた1998年度の5690基に比べ4倍以上になったことが分かった。

 同省の担当者は「高齢化が進む中、健康維持のために使いたいとの要望があるのではないか」と背景を分析する。

 複数の健康器具が設置された一角がある東京都千代田区の日比谷公園。懸垂用の鉄棒で逆上がりなどを繰り返していたアルバイト春日富夫さん(68)は「器具が増えるのは大賛成。体が動くようになると、楽しくてますます運動したくなる」と笑顔で話した。

 一方、健康器具の増加により、子供が使っていて転落したり、器具の隙間に挟まれたりする事故も発生。国交省は昨年6月、安全確保の指針を改定し、それまで対象外だった健康器具でも、安全に配慮した設置を心掛けるよう求めている。