高野山で開創1200年を祝う「記念大法会」始まる
秘仏・薬師如来像を初公開、横綱が土俵入りを奉納
弘法大師空海が開いた真言宗の聖地、高野山(和歌山県高野町)で2日、開創1200年を祝う「記念大法会」が始まった。大相撲の白鵬、日馬富士の両横綱が土俵入りを奉納し、壇上伽藍(がらん)金堂の本尊・薬師如来像が初めて一般に公開された。
5月21日まで50日間にわたって空海に感謝の祈りをささげ、期間中は仏教関係者や観光客ら約30万人が訪れる見通し。
唐(中国)で真言密教を学んだ空海は、816年に嵯峨天皇から高野山の地を与えられ、密教の修行道場を開いた。835年、62歳で永遠の瞑想(めいそう)に入った後も、山内で祈り続けていると信じられている。
大法会初日の2日は、江戸時代に焼失し、開創1200年に合わせ再建された壇上伽藍の中門の完成法要が営まれた。見物客らの「よいしょー」という掛け声の中、両横綱が土俵入りで門を地固めし、約400人の僧侶らがきらびやかな衣装を身に着けて、総本山・金剛峯寺から中門まで練り歩いた。
埼玉県から訪れた主婦(63)は「なかなか見られない行事なので、遠くから来た価値があった」と感慨深げに話した。
期間中は毎日2~5回、壇上伽藍や金剛峯寺を会場にさまざまな形の法会が行われる。金剛峯寺持仏(じぶつ)本尊の弘法大師座像も16年ぶりに開帳される。