1300万年前の地層にワニ7種の化石を発見


米研究チームがペルーのアマゾン上流域で、貝や魚など餌が豊富

1300万年前の地層にワニ7種の化石を発見

ペルー・アマゾン川上流域の約1300万年前の想像図。ワニ類が7種も生息し、魚や貝などを食べていたとみられる(米自然史博物館提供)

 南米ペルー北東部のアマゾン川上流域で化石の発掘調査を行ったところ、約1300万年前の地層からワニ類の化石が新種を含め7種見つかったと、米自然史博物館などの研究チームが25日、英王立協会紀要に発表した。

 アマゾン川は現在、ブラジルを経て東の大西洋に流れるが、約1300万年前のペルー北東部は湖沼が多く、川は北のカリブ海へ流れていた。ワニ類にとっては貝類や魚類の餌が非常に豊富だったとみられる。ワニ化石が同じ時代と場所の地層から7種も見つかったのは珍しいという。

 7種中、3種の化石が新種に分類された。新種のうち頭骨が前後に短い種は、顎に並んだ歯が丸いのが特徴。口を湖沼や川の底の泥に突っ込み、貝類をすくって食べていたと考えられる。頭骨が長い別の種は、活発に泳ぐ魚類を捕らえていたとみられる。

 アマゾン川流域は熱帯雨林に覆われ、化石を発掘できる所が少ない。調査結果は豊かな生態系の形成過程を解明するのに役立つと期待される。